断章、 治水平天下
2010年 08月 26日
断章とは、小説などで、そのストーリーを一旦中断した上で解説を入れたりすることを言う。
この場合は特に解説を入れるわけではないが、一旦テーマを中断するので断章とした。
先日、ポーランドに行ってきた。
その話はあとにするとして、その帰路にポーランドとチェコ、ドイツの3国が国境を接するあたりを通過した。
往路は遠回りだが快適に飛ばせるので、時間を優先するためにドイツ側を廻って行った。
一般道を通りチェコの北部から戻るルートはポーランド側のだだっ広い平地と、チェコ側にちょっとした山道があり、ダイナミックな景色が広がるので時間に追われない帰路は、気分がいいのでそちらがいい。
ここを通るまで忘れていたのだが、このあたりは数週間前、大雨で洪水になった地域でもある。
ドイツ旅行中に義母がかみさんにメールをしてきた。
チェコでの安否を気遣ってのことだったが、当の本人たちは、そのときはドイツにおり、“いまメルヘン街道を旅行中でーす。”なんてお気楽なものだった。
ポーランド国境からチェコに入る。
なんだかんだ言っても、チェコ内に入ると落ち着くものだ。
しばらくすると山間の温泉町のようなところに通りかかる
Rollei35S, Sonnar 40mm, AGFA APX
なにやらゴーストタウンのように静まり返っている。
本物のゴーストタウンのように、通り沿いの家々は窓を開け放っている。
その町を通り過ぎようとして思い出した。
ここはあの洪水の被害地なんだ。
とりあえず残りのフイルムだけでも撮っておこうと、ハンドルを切り返した。
かみさんは、そんな人の不幸を、ということを言ったが、これを持ってふざけたりする意図はない。
これは歴史の証明だとつぶやきながら、構わず車を脇道に停めカメラを持って駆け出した。
交通の妨げにならない程度には片付けられているが、道路の脇や川沿いの家々の敷地内はひどいもんである。建物の壁を見ると、おそらく1階の窓際くらいまで水が押し寄せてきている。
この様子では復興までもう少し時間がかかるであろう。
学生の頃、報道関係かジャーナリストになりたかったなあ、と思い出しながらシャッターを切る。
普段のフイルムを撮りきった爽快感とは別な感情のまま、再び車に乗り込み帰路に着いた。
古来、水を治めるものは天下を治めるといわれる。
また、天災は失政に対する天の裁きだともいわれる。
これらの国に失政があったのかは国民ではない人間がいうことではない。
だがこれらの事後処理の手際で、その政権の真価が問われる。
はたして我が母国は大丈夫だろうか。
期待度の高かった割に無様な醜態をさらす我が母国の政権。
新しいことをしようとしているのだから、もう少し様子を見てあげようという気持ちも無いではないが、世界の変化のスピードについていけてないような気がする。
家にたどり着き、ニュースを見ると、ちょうどその国境付近で火事場泥棒ならぬ、水害泥棒が発生しているということだった。 ポーランドの飛行機墜落現場からキャッシュカードを盗み現金を引き出したロシア人将校の話も最近のことだが、人の不幸に付け込んで行う犯罪というのは東西係らずあるものなんだ。
うわさに過ぎないが、四川大地震の被害者の頭髪を盗んでカツラ会社に売っているという。かつらの原料になる毛髪を調達すること自体、養殖なんてできるものではないから考えられないことではない。
人を騙すような人間になるなと教育されてきたが、これからは人に騙されるような人間になるなと教育するような時代になってきたのかもしれない。
この場合は特に解説を入れるわけではないが、一旦テーマを中断するので断章とした。
先日、ポーランドに行ってきた。
その話はあとにするとして、その帰路にポーランドとチェコ、ドイツの3国が国境を接するあたりを通過した。
往路は遠回りだが快適に飛ばせるので、時間を優先するためにドイツ側を廻って行った。
一般道を通りチェコの北部から戻るルートはポーランド側のだだっ広い平地と、チェコ側にちょっとした山道があり、ダイナミックな景色が広がるので時間に追われない帰路は、気分がいいのでそちらがいい。
ここを通るまで忘れていたのだが、このあたりは数週間前、大雨で洪水になった地域でもある。
ドイツ旅行中に義母がかみさんにメールをしてきた。
チェコでの安否を気遣ってのことだったが、当の本人たちは、そのときはドイツにおり、“いまメルヘン街道を旅行中でーす。”なんてお気楽なものだった。
ポーランド国境からチェコに入る。
なんだかんだ言っても、チェコ内に入ると落ち着くものだ。
しばらくすると山間の温泉町のようなところに通りかかる
Rollei35S, Sonnar 40mm, AGFA APX
なにやらゴーストタウンのように静まり返っている。
本物のゴーストタウンのように、通り沿いの家々は窓を開け放っている。
その町を通り過ぎようとして思い出した。
ここはあの洪水の被害地なんだ。
とりあえず残りのフイルムだけでも撮っておこうと、ハンドルを切り返した。
かみさんは、そんな人の不幸を、ということを言ったが、これを持ってふざけたりする意図はない。
これは歴史の証明だとつぶやきながら、構わず車を脇道に停めカメラを持って駆け出した。
交通の妨げにならない程度には片付けられているが、道路の脇や川沿いの家々の敷地内はひどいもんである。建物の壁を見ると、おそらく1階の窓際くらいまで水が押し寄せてきている。
この様子では復興までもう少し時間がかかるであろう。
学生の頃、報道関係かジャーナリストになりたかったなあ、と思い出しながらシャッターを切る。
普段のフイルムを撮りきった爽快感とは別な感情のまま、再び車に乗り込み帰路に着いた。
古来、水を治めるものは天下を治めるといわれる。
また、天災は失政に対する天の裁きだともいわれる。
これらの国に失政があったのかは国民ではない人間がいうことではない。
だがこれらの事後処理の手際で、その政権の真価が問われる。
はたして我が母国は大丈夫だろうか。
期待度の高かった割に無様な醜態をさらす我が母国の政権。
新しいことをしようとしているのだから、もう少し様子を見てあげようという気持ちも無いではないが、世界の変化のスピードについていけてないような気がする。
家にたどり着き、ニュースを見ると、ちょうどその国境付近で火事場泥棒ならぬ、水害泥棒が発生しているということだった。 ポーランドの飛行機墜落現場からキャッシュカードを盗み現金を引き出したロシア人将校の話も最近のことだが、人の不幸に付け込んで行う犯罪というのは東西係らずあるものなんだ。
うわさに過ぎないが、四川大地震の被害者の頭髪を盗んでカツラ会社に売っているという。かつらの原料になる毛髪を調達すること自体、養殖なんてできるものではないから考えられないことではない。
人を騙すような人間になるなと教育されてきたが、これからは人に騙されるような人間になるなと教育するような時代になってきたのかもしれない。
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wszystko_exakta
at 2010-08-26 07:09
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芥川の「羅生門」ですね。ポーランド、ウチの親戚の辺りは全く大丈夫でした。まさにゲリラ豪雨なんですね。ヴァウブジフの町は大丈夫だったのですね。
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日本でも常識、良識なんていうことばは、政治家が率先して消し去りつつある言葉ですから、残念ながらこの国の先行きも酷いことになりそうな予感です。しかし、どこの国にあっても、人の不幸に乗じて自身の懐を温めようとする人がいるのは、不幸なことですね。
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上海狂人
at 2010-08-26 16:48
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>タラさん
本当に局部的のようでしたが、それだけに凄い水量だったようです。
本当に局部的のようでしたが、それだけに凄い水量だったようです。
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上海狂人
at 2010-08-26 16:51
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洪水の被害の写真、酷い状況ですね。
中国人のお話が出ておりますが、今日ニュースで飛び込んできたのは、有田焼という単語が既に商標登録されていて、上海で物産展を開こうとしている佐賀県が使えないと悩んでいるそうです。群馬などという名前まで既に登録してあるそうです。
日本人が景徳鎮とか四川省とか、日本で登録なんてしていませんよね。私には中国人のモラルが解かりません。
中国人のお話が出ておりますが、今日ニュースで飛び込んできたのは、有田焼という単語が既に商標登録されていて、上海で物産展を開こうとしている佐賀県が使えないと悩んでいるそうです。群馬などという名前まで既に登録してあるそうです。
日本人が景徳鎮とか四川省とか、日本で登録なんてしていませんよね。私には中国人のモラルが解かりません。
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上海狂人
at 2010-08-30 23:52
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>塾長さま
中国での商標登録、常識では考えられませんね。
そのうちあちこちで訴訟になるかもしれません。そういうビジネスが流行るかもしれません。
しかしそういうものに日本人が疎すぎた面もあるかもしれません。
判断から展開までのスピードが中国人は速いです。
中国での商標登録、常識では考えられませんね。
そのうちあちこちで訴訟になるかもしれません。そういうビジネスが流行るかもしれません。
しかしそういうものに日本人が疎すぎた面もあるかもしれません。
判断から展開までのスピードが中国人は速いです。
by shangkato2
| 2010-08-26 08:26
| Rollei
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Comments(6)