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上海狂人日記  カメラ編   Flexaretのプリントを見て驚愕。 それからカメラ沼に嵌る。 日々是増殖中 目標100台達成!!!


by shangkato2

孤帆の遠影夕空に尽く

今の世の中、飛行機もインターネットもあるから、たとえ離れ離れになっても
今生の別れのような旅立ちなどないだろう。

それでも旅というものに郷愁を覚える。


プラハ空港近くにて、
孤帆の遠影夕空に尽く_e0134658_211917.jpg

Macro elmarit-R 60mm, RVP-F


タイトルのオリジナルは李白の“黄鶴楼に孟浩然の広陵に之くを送る”の一節

“孤帆の遠影碧空に尽く”

長江に浮かぶただ一艘の船の帆が青空の下に消え行く様を表している。

現代の空港で見る夕空もまた、かつての友と友とを隔てた長江と同様なのだろう。



古来、東洋では友との別れを詠った詩が数多くある。
特に漂浪の詩仙、李白の詩は格別。
雄大な空間表現と極小の人間関係の対比で悲しいはずの別れを優雅な行為とする。
果たして極西の僻地には、そのような優美な詩があるのだろうか。



一杯、一杯、又一杯


今迄何杯の別れの杯を交わしただろうか。
それでも何故だろう、いつかまた会える気がする。


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Commented by wszystko_exakta at 2009-04-01 06:58 x
黄鶴楼の鶴が天空に羽ばたいていくようですね。唐詩発展の背景は魏晋南北朝時代に華北に異民族が侵入したために中国語の大きな変化があったため、という風に教室で説明するのですが、中国語が分からないボクには説得力がないです。
FM東京に「ジェットストリーム」という番組が昔、ありましたっけ。あの番組のイメージですね。
Commented by sklife2007 at 2009-04-01 08:28
こんばんは。
いいアングルそして色ですね。
元来飛行機好きなので、自分もトライしてみたくなりました。
夕陽の左下にある二つの光る物体...
何なんだろう?
Commented by moblue at 2009-04-01 11:11
いい写真ですねー 解説が素晴らしい!!
ブルートレインの終了とか、自筆の手紙とかで、さまざまに相手を思うのだが、実は、自分自身をも、じっくり思っているという環境が少なくなりましたねー レンジファインダーにそんなことを思います。
この乗客は、夜間飛行のなかでどう自分を思うのでしょうかねー
八神純子の『夜間飛行』のエンディングに流れるジェットの音が頭の中に思い出されるのでした。。。
Commented by 上海狂人 at 2009-04-01 16:34 x
>wszystko_exakta様
 実物の黄鶴楼はコンクリートで再建されたもので郷愁もかんじませんでした。雰囲気だけですね。でもあのあたりの川幅もかなり広くて、詩の情景というのは想像できます。
 文学は専門ではないのでよくわかりませんが、実は南北朝時代というのは安定した時期で、其の頃すでに中華文化が熟成されていて、唐代に他民族の影響を受けて完成されたんでしょうね。李白自身、シルクロード出身でトルコ系だった説もあります。唐の皇室自体が異民族の血が間違いなく混ざっていますから、Mixされた文化というのは昇華するんでしょうね。
Commented by 上海狂人 at 2009-04-01 16:37 x
>Nobu様
 本当はアンダーにしすぎたのです。そのため右下の滑走路を走行中の飛行機の主翼の光っている部分しか写らなかったんです。
Commented by 上海狂人 at 2009-04-01 16:39 x
>Moblue様
 八神純子、渋いですね。
 なぜかチェコに持ってきたCDの中に“夢見る頃を過ぎても”が入っていました。時代を感じさせる曲も多いですが、あの透明感のある歌声は、今の歌手にはないですね。
Commented by wszystko_exakta at 2009-04-01 19:38 x
反切と韻書の出現→601年陸法言「切韻」という流れのことです。
英語史におけるノルマン征服のようなものだと説明すれば良いんだよ、というのが先月上智大の碩学に質問した時の答え。
Commented by 上海狂人 at 2009-04-01 20:00 x
すごいですね。こんなの高校で教えるんですか?
もう言語学の世界になると、まったく手がでません。
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by shangkato2 | 2009-04-01 02:29 | Leica R | Comments(8)