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父方の祖父。

寡黙な人だった。
その派手なことが嫌いな性格からかどうかわからないが製本の仕事をしていた。

「これを使いなさい」と子供のころやっていた新聞の切り抜きのために綺麗な厚紙を使った冊子を良く作ってくれた。今考えればオーバークオリティだが当時は喜んで切り抜きを張っていった。初孫で読書好きでおとなしい子供だったので祖父は孫の中でも特にワタシのことを可愛がってくれた。

あまり強くはないのだがお酒が好きで、ふらりと我が家に遊びに来ると、母のお酌をした御猪口から嬉しそうにチビチビ飲む姿が子供心に微笑ましく見えた。記憶にないのだが洗面所の洗面台の底蓋をひっくりかえし、そこに蛇口から水を垂らして、祖父の真似をしていたと後日母が語っている。

真夏のある日。遊びに来るというので様子を見に行くと、陽炎の揺れる遥か遠くから自分の頭よりも大きな西瓜をぶら下げて歩いてくる祖父の姿を今でも思い出す。

ワタシが中学生の頃、脳梗塞で倒れてから寝たきりになりしばらくして逝った。

その祖父が1か月くらい前、夢の中に現れた。

畳敷きの部屋。部屋の中央には大きな座卓だけ。 そこに座っていると、縁側から祖父がニコニコしながら部屋に入り、ワタシの横に腰掛けた。

「わかってるな」と一言だけ言った。

「おじいちゃん!」と叫び涙を流しながら目を覚ますと、暗い部屋の中で茫然と座っている自分がいた。 かみさんはびっくりして起きあがったので、いまあったことを説明し気分が落ち着いてから、また眠りについた。

なぜあの時祖父が出てきたのかいまだによくわからない。


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母方の祖父。

東北の人だから特に寡黙というわけでもないがおしゃべりでもない。

胃潰瘍で手術したことと高血圧以外は健康な人だったので、毎朝の雪かきの後に熱い風呂に入るなんて習慣がなければまだ生きていたかもしれない。

若いころはマラソンと勉強が好きだったが、
「農家の長男がそんなことして体壊したらどうする」
という曾祖父の言葉でなかなか大会に参加させてもらえなかったそうだが、こっそり抜け出しては参加し怒られていたと笑いながら話していた。だからワタシが河口湖マラソンを完走した話をしたらたいへん喜んでくれた。

勉強の方も本当なら大学進学したかったそうだが、
「農家の長男が大学なんか行ってなんになる」
というまたもや曾祖父の言葉で諦めざるを得なかった。高校進学もそのため地元の農学校に進学することになった。祖父も後を継いだ伯父も、そのまた後を継いだ従兄も同じ学校に進学した。だからワタシの大学進学を誰よりも喜んでくれたのは祖父だった。

だが祖父はここで運命的な出会いをする。
担当教師が宮沢賢治だったのだ。変わった人というのが印象だそうで、黒板に向かうより課外授業が多かったそうだ。死ぬ間際まで宮沢賢治会という同窓会にできるかぎり参加していた。

とにかく人前に出るのが好きな人で、好きが高じて市会議員と県会議員をたしかそれぞれ一期ずつ務めている。いまの選挙活動とは違い、自転車に幟をたてて支援者の家を周り歩き、また自宅に招き、いまでは時効になるが、宴会をひらいたりしていたそうだ。

その関係かどうかわからないが祖父の葬式に当時の自民党幹事長、小沢一郎から弔電を貰った。年齢から考えると小沢一郎の父親である佐重喜と親交があったのかもしれない。

一度好きな政治家を聞いたら、
「オレはやっぱり田中角栄だな」
地元で同世代の鈴木善幸の名前が出てこなかったのは意外だった。小沢佐重喜は吉田茂の側近だったし一郎も田中派出身の議員。剛腕の政治家が好きだったのだろう。

小沢一郎も強面で最後の金権政治の砦のように言われ都会では評判が悪いが、選挙区の岩手では非常に評判がいい。保守的な農村部に強い自民党でも小沢の地元の岩手では手も足も出ない。


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「小沢さん、小沢一郎さん。
世間の非難なんて気にすることはない。清廉な政治家がなにをしてくれますか?
我が母校の大先輩である元首相はとても清廉な方だったがなにもできなかった。
この時期になってまで意地の張り合いは止めて、国難に立ち向かってくれ。
あなたの支援者はなにがあっても支援しているではないか。
馬鹿な外野がなにを言おうと構わないじゃないか。
貴方は関東大震災の復興計画を立てた同郷の後藤新平を尊敬しているそうじゃないか。
ならば、いまこそ貴方が先頭に立って腕を振るうときじゃあないのか。
副総理、復興担当相なんてのは谷垣なんかではなく貴方がやるべきなのだ。
でなければ貴方が寄越した弔電を聞いた祖父は死んでも死にきれないじゃあないか」
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by shangkato2 | 2011-03-25 03:25 | 雑記 | Comments(6)

我が祖国

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出社前だった。

いつもと変わらずにテレビを見ていると地震のニュースがながれた。
その数分後津波でなにもかもが流れる映像を見た。
しばらく呆然として画面の前から動けなかった。


関東に住む両親に連絡すると写真立てが落ちてガラスが割れたこととテレビがずり落ちたくらいで被害はないということだった。
津波の様子を見てショックを受けているかみさんに四国の実家に電話をさせた。
かみさんの実家は河口から2,3km、川沿いの住宅地、あの津波の映像が頭をよぎったからだ。
太平洋岸の県南部のほうでは津波警報がでたようだが住まいの近辺には問題ないようだった。

母の実家岩手県もかなりの被害が出ている。
幸い内陸にある花巻だから親戚に被害はなかったが電気の供給に問題があるそうだ。
親戚一同コメ農家だから蔵に行けばいくらでもコメはあるが電気が来ないことには炊くことができない。
それでも海側の人たちはもっと大変だから文句言っては罰が当たるから我慢するしかないと母に答えたそうだ。

結婚して数年後、上海在住時の一時帰国時に岩手の親戚回りをした。
ボケた婆さんの見舞いとちょっと遅くなった先祖への報告もしなければならない。
それを終えると日帰りのできる遠野と釜石にかみさんを連れて行った。

その釜石も悲惨な状況である。

釜石には橋上市場という橋の上に市場があるところがある。
その中にある食堂で海鮮丼を食べようとお目当ての店に行くも休みだったので
しかたなく端のほうにある小汚い小さな食堂に入ることにした。
そこには外地からきたというオバサンというよりもオバアサンといっても良い女性が切り盛りしている店で、
やはり海鮮丼を注文した。
やってきた海鮮丼の海の幸は流石に新鮮で美味しいものだったが、ご飯は炊いて何時間もたっていて、お世辞にも美味しいご飯とは言えなかったが、話好きのオバサンの豪快に笑う姿になんとなく癒されてしまった。

たしか2002年か2003年に行ったと思うのだが、どうやら橋上市場は2003年に45年の歴史に幕を閉じ場所を移して新しいところで市場をオープンしているようだ。

かみさんも行ったことのある釜石の惨状にショックを受け、2人で相談の上、岩手県に義援金を送ることにした。

あのオバサンの無事をただただ祈るのみである。
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by shangkato2 | 2011-03-22 03:22 | 雑記 | Comments(9)


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Flexaret 6, Reala ace 100


先日のモラヴィアめぐりの最終日、世界遺産でもあるクロムネジーシュへ向かった。

ハプスブルグの帝国議会が創設されたところでもありバロック様式が色濃く残されている。
アマデウスのロケでも使われたというのは同行のI氏より聞いた。

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Flexaret 5, Irford XP400


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しかしFlexaret5のモノクロは以前のカラーの作例と異なり、だいぶフレアっぽい。
内部反射かもしれないが、カラーでは大丈夫なのに、どうしてか。


この町ではモラビアの街だけあってワイン醸造をしているそうだ。特に修道院ワインというのがあるそうなので楽しみにしていたが残念ながら日曜は営業していない。

モラビアの日曜は観光客に冷たい。


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そうはいっても、人気がないのも一興。
日本の観光地で人がいない風景写真など撮れないが、ここでなら可能。
真面目な写真を撮る人にはお勧めの街だろう。

しばらく散策して正午近くなったので一軒のレストランに休憩のために入る。
そのころになると先ほどより人が多くなってきたようだ。

レストランの前の教会が鐘を鳴らし始める。
正午の鐘のようで、鐘が終わるくらいになると教会から大勢の参拝者が出てくる。

モラビアはボヘミアより信心深いのかもしれない。


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by shangkato2 | 2011-03-10 03:10 | FLEXARET | Comments(4)

2月のカメラ市で、



2月のカメラ市はそれほど興味深いものはなかった。


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しかし悪い癖で、折角来たならなにか買わないと、と思いいろいろ眺めていると初めて出店しているオジサンの所にContaflexが数台置かれていた。

どれも均一価格だというので一番程度が良く、最終モデルであるContaflex Sを選んだ。

結果から言えば正解で、カメラの作り、使いやすさ、AEカメラであること、しかもAEが作動していることから言って大変お買い得なものだった。


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AEモードにしてファインダーを覗くと、だいぶアンダーな指数が表示される。
まあ試してみるかと、このショットはたしかAEで撮ったはずだが、問題なさそうだ。


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テスト用に買ってあるコダックの格安フイルムにも係らず、さすがテッサー、破綻のない写りをする。
一眼でありながらコンパクトなボディ、暗めの標準レンズだが間違いのないテッサー付。
シャッタースピードも1/500までしかないが、普通に使うには問題ないスペック。

あまり気負わずに撮りたいときはこれで充分かもしれない。


話が戻るが、カメラ市からContaflex Sを抱えて、いつものカメラ屋にも向かう。
FOTO SkodaでFDマウントの28mm F2.0があるので、Pazderaさんの店でなにもなければ買おうと思って向かった。

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大きさは50㎜F1.4の標準レンズくらいで、大きくも小さくもない。
すでにF2.8の28mmは持っているので少し悩んだがF2.0に負けた。
こちらのレストランなどの店内は日本のそれより暗いからF2.0は有効だろうという言い訳もありか。

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若干クールな描写で特に個性があるわけではない。
やはり常用28㎜はElmarit-RとOrestegon(正確にいえば29㎜だが)という結論になったが、FDマウント用としては持っておいてもいいだろう。


しかし使いもしないカメラやレンズがどんどん増えていく。
本来欲しいはずのカメラやレンズになかなか行きつかない。

そろそろ思いきらないといけないのだろうか。



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by shangkato2 | 2011-03-08 03:08 | カメラ屋/カメラ市 | Comments(4)

フレクサレットの故郷へ

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Flexaret 6, Reala ace 100


2月末、フレクサレットの故郷に向かった。
某光学機器メーカー勤務のI氏夫妻と4名での短日行だ。
当然フレクサレットは道連れにする。
今回はFlexaret5にモノクロ、6にカラーでいくことにした。

I氏夫妻とは年齢もほとんど変わらず、なによりアルコールに強いのが酒好きの我々にはうってつけの道連れなのだ。
I氏の勤務先はプラハに事務所とPrerovにサービスセンターを持つ。
その関係で我が愛機Flexaretの生みの親であるMeoptaの事も良く存じており、またいろいろ話しているうちにチェコビールの話が弾んだ。PrerovのI氏定宿のペンションには、美味しいビヤホールが併設されている、ということを聞き、とんとん拍子でPrerov行が決まった。いや無理やり決めさせてしまった感もある。

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前回初めてプラハのイタリアンで一緒に食事をとった。
6時集合で気づいたら12:00.
あちらからしたら迷惑かもしれないが、こちらは楽しく酒が呑めたので

「これはいい相手をみつけた」

と半ば友達の押し売り状態と化し、今回の短日行でも6時から閉店の11時まで飲み続けてしまった。

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Rolleiflex SL2000f、Rolleinar 28mm, 160VC


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Rolleiflex SL2000f, Distagon 35mm F2.8, 160VC


Prerovにつくまで時間がありOlomoucにも寄った。
チェコでもプラハ、ブルノを別格にすれば割合大きな都市だが、土曜にも係らず人の気配が少ない。
よく見るとほとんどの店が閉まっている、土曜も休みらしい。
プラハと同じつもりでいるとダメなようだ。


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Olomoucではカフェにも寄らず、Prerovに向かったので喉もいい具合に乾いている。
これはいい酒が呑めると期待してホスポダに向かう。

実はここは1階がホスポダ、2階がレストランになっており、レストランの予約が6時からだったのだが5:45に集合し、ます1階のホスポダで1杯ビールをいただいた。


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Flexaret 5、Irford XP400


その後、上のレストランにあがり、案の定、各位ビール3杯、4人でワインを4本。

しかし仕事抜きに酒が呑めるのはいい。
なにより夫婦で飲めるのは長いお付き合いができそうなのがいい。

こういう友人は大事にしなければいけない。


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by shangkato2 | 2011-03-04 03:04 | FLEXARET | Comments(10)

上海狂人日記  カメラ編   Flexaretのプリントを見て驚愕。 それからカメラ沼に嵌る。 日々是増殖中 目標100台達成!!!