古機巡礼9 Rolleiflex SL2000F
2012年 11月 11日

このカメラは古機というほど古いものではないが、すでに30年は経過しているからマニアでもない人には古いカメラと認識されるものだろう。
初めて買った本格的な一眼レフがRolleiflex SL35だった。
2週間くらいのうちにボディ2台と135ミリと200ミリを入手したが、その後なかなかこのマウントのカメラもレンズもあまり見かけることはなかった。
2010年の帰国のとき、ツアイス研究の大御所、竹田さんにこのSL2000fを譲って頂いた。
ほとんど使っていないので綺麗なものだった。
ただしばらく使うと、プラナーの絞りがちょっとおかしくなった。
このカメラを入手してチェコに戻ると、立て続けに35ミリと28ミリを入手した。
とくに35ミリ、ディスタゴンはお気に入りのレンズとなった。
甲高いシャッター音は意外に官能的でライカR4と並んで良く使うようになった。
できればもう1台同じボディか3000という後継機があるのでそれが欲しかったが、なかなか見つかるカメラでもなかった。そうはいってもSL35MもVoigtlander VSL3Eも持っていたので困ることは無かった。
フィルムバックの交換できるシステムということであれば当時と言わず現在でも進歩的なシステムであり、他のメーカーが真似せず、35ミリ一眼レフの形の主流にならなかったのは残念だ。この形が主流になれば1台のカメラでアナログとデジタルの共存が可能であったかもしれない。
独創的なカメラで、よくRolleiはこんな35ミリ一眼を考えだしたなあと思ったが、元ネタはZeissだそうだ、Zeissがカメラ事業から撤退する直前の1971年頃にProjekt2000というプロトタイプがあり、どうやらそのプロジェクトをRolleiが引き継いだようだ。

そういえばオリンパスOMのプロトタイプもこういうタイプだった。
残念だがOMはあの普通の形だから普遍的な名機になれたのかもしれない。
もはやSL2000fにはカメラマニアの自己満足の道具でしかない。
しかしそういう存在も悪くはないのかもしれない。
1枚目の画像のグリップはたまたま訪れた千曲商会で見つけた。
もっと使いたいと思いながらも、その官能的な甲高いシャッター音は日本のような殺伐したところでは警戒されるだけなのでなかなか持ち出せないでいる。



ある方に紹介して頂、一度お会いしました。
